剣道 オワコン説 これから子どもたちが剣道を始める意味はあるのか?

剣道オワコン説 剣道
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こんにちは。

私は剣道ブロガーのKENDO KAWANOと申します。

脱サラして剣道ブロガー兼Youtuber(現在準備中)に転身しました。

詳しくはプロフィールをご覧ください。

今回は、

「剣道オワコン説」

について、取り上げていきます。

剣道人口衰退の一途

 現在剣道人口は、減少の一途をたどっています。

 全日本剣道連盟の発表によると、

 2018年3月末日現在の「剣道」有段者登録数は1,889,261人

 となっており、もちろん、野球やサッカーに比べれば少ないですが、オリンピック競技でもある柔道の人口は一説には十数万人と言われており、それに比べるとかなり多いとも言えます。

 では、剣道は安泰か?といえば、先ほども述べた通り、まったくそうではありません。

 有段者とは言っても、剣道の初段は中学生で取得可能です。また、一旦段位を取得すればずっと有段者であり続けます。従って、中学生で初段を取得し、その後剣道を辞めていてもこのデータには人数に含まれるということになるのです。

 この説明からもわかる通り、約190万人の有段者がいるからと言って、剣道は安泰ではないのです。

 むしろ、私の肌感覚から言えば、年々剣道人口は減っているというのが正しい見解だと思っています。

 最大の要因は少子化の進行です。子どもの数という分母が減れば当然のことながら絶対数も減っていきます。しかし、それ以外にも「3K」と言われる「くさい」「きたない」「きつい」や、武道なんて「古臭い」などのネガティブイメージと現代の子どもたちの興味・関心がマッチしない状況が要因の一つとしてあるのではないでしょうか。

 特に、地方の県においては、年々確実に剣道部のある中・高等学校が減ってきているのは間違いありません。少年剣道の道場においても、「今年は○○道場がなくなるらしい」「今度は××道場が合併するらしい」などという話をよく耳にするようになりました。

 全日本剣道連盟や各都道府県の剣道連盟が、早急に効果のある対策をたてなければ、近い将来に剣道は「日本の伝統文化」から「日本の伝統文化遺産」へと転落してしまうでしょう。

そういった意味で、剣道人口は衰退の一途をたどり、「剣道はオワコン化している」ということは、厳然たる事実なのです。

そもそも剣道は矛盾だらけ

 そもそも論として、剣道というものは矛盾に満ちたスポーツです(スポーツという言葉は語弊がありすが便宜的に使います)。剣道は竹刀で相手の防具を着けている部位を打突しあうスポーツですが、ご存知の通り、竹刀は日本刀の代用品です。

 どこが矛盾しているのかと言えば、まず竹刀と日本刀の操作法がまるで違います。イメージとして、竹刀は「押し切る」のに対して、日本刀は「引き切る」という違いがあります。竹刀は日本刀の代用品と言っているにも関わらず、その操作法は違う。それだけでも矛盾しています。

 さらに、私は学生時代、師である先生から「相手の攻めに対して左手が動いたら参りましたと言いなさい」と教わりました。つまり、「心が動かされた」時点で負けを認めなさいという意味です。たとえ「心が動かされ」ても、一瞬のスピードで相手を打ち負かすことができるかもしれません。しかし、剣道は観念のスポーツなのです。相手の精神状態が、自分を上回れば負けを認めなければなりません。つまり剣道は「こうあるべきだ」という理想(つまり武士道)を追い求める観念を重要視しているのです。

 しかし、剣道も子どもから大人まで試合があり、勝敗を決するという意味では剣道も本来的なスポーツの側面をもつといえます。スポーツというものは、公正なルールの下で行われるべきものであり、そこに精神状態が介在する余地はありません。その点をとってみても、剣道は矛盾に満ちたスポーツといえるでしょう。

しかし、剣道は正確にはスポーツではありませんし、矛盾があるからこそ(およそできそうもないことを追い求めるからこそ)、美しく、愛すべき日本の伝統文化なのではないかと私自身は思っています。

 

学生剣道は剣道ではない

 以上の内容を踏まえて、学生剣道について論じてみます。

 率直に言います。「学生剣道は剣道(武道)ではありません」

 その理由として、高等学校の大会の名称を挙げてみます。例えば「県大会」の正式名称は「○○県高等学校総合体育大会剣道競技」となります。「全国大会」は「全国高等学校総合体育大会剣道競技」となります。「剣道大会」ではなく「剣道競技大会」なのです。

 つまり、あくまで「競技」、字の通り技を競うということに主眼を置いているということは一目瞭然です。もちろん、本来の剣道と全く異なるというわけではありませんが、学生剣道は競い合うこと、つまりは試合に勝つこと(勝利至上主義)が最上位の目的となってくるわけです。

 全日本剣道連盟による剣道の理念は、

「剣道は、剣の理法の修練による人間形成の道である」

 となっており、その目的は「人間形成」にあります。

このことからも、「学生剣道は剣道ではない」(表現が過激であればお許しください(^^)/)というのは、あながち間違ってはいないし、近年批判されている学生剣道の勝利至上主義も、私には理解できなくはありません。

 

 

それでも子どもに剣道をさせるべき理由

 最後に、今子どもに剣道をさせようかどうか迷っている保護者の方、あるいは、剣道を続けようか迷っている小・中・高校生・大人の方に、剣道をやった方が良い理由をプレゼンします。

①剣道の理念である人間形成

 私は、剣道を通して最終的に到達するべき地点は、「心気力の一致」だと考えています。私の解釈では、「心気力の一致」とは、「感覚」・「思考」・「行動」が瞬時に一致することだと捉えています。よく言う「武士道精神」というものは、「日本人的価値観からなる美徳の集大成」なのではないかと私は考えていますが、「武士道精神による心気力の一致」とは、「日本人として(人間としてでも構いません)こうあるべきだ」という行動を考える間もなく実行に移すことができるという事です。

 よりわかりやすく言えば、「空き缶を見つける」→「空き缶を拾おうと思う」→「空き缶を拾ってゴミ箱に捨てる」という行動が、いついかなる時も瞬時にとれるということです。一見簡単に思えますが、人間は正しいことをする時でも、周りの目を気にしたり、恥ずかしがったりすることがあると思います。そういった雑念を除去して、いついかなる時も正しい行動がとれるということが、剣道の人間形成の意味だと考えています。

 私の考えでは、剣道の稽古を正しく、真剣に行えば、おのずと「心気力の一致」に近づくことができると思っています。

 したがって、子どもたちに剣道を習わせることは大変有用であると言えます。また、学生剣道しか知らない人たちも、これから剣道を続けていくことできっと人間的成長につながるはずなので、剣道を続けたほうがベターな選択と言えるのではないでしょうか。

②マイナー競技であるが故の利点

 これは、剣道の本旨からははずれてしまいますし、剣道人口増加を願う立場からは声を大にして言えることではないのですが、学生の剣道人口が減っているとうことはチャンスが広がっているとも言えるのです。

 理由は、剣道は歴史のあるものですし、一定の競技人口を有しているため、高等学校や大学において「強化部」に指定されていることがよくあります。特に私立の有名大学であれば、ほぼすべてと言っていいほど剣道に力を入れています。ということは、いわゆる「剣道推薦」なるものが存在し、剣道で結果を残して実績を積めば、学力を使わずして有名高校や名門大学へ入学できるチャンスがあるのです。

 しかも、競技人口が減っているということは、必然的に一人一人の勝ち上がる確率は上がっていくことになります。従って、子どもたちに剣道をさせることは「将来のキャリアプラン」のうえでも非常に有用であると考えて良いということです。

 ※②については他の記事で詳しく書く予定です。

以上の理由から、私は、これから子どもたちに剣道をさせること。そして、剣道を続けることのメリットは非常に大きと思っています。

まとめ

 いかがだったでしょうか?

 少し記事が長くなりましたが、私なりに、「剣道人口減少について」「学生剣道の特異性について」「剣道を子どもたちにさせることのメリットについて」、を解説してみました。

 今後もこういった記事を量産していく予定です。(もっとポップな話題も提供します)

 よかったらまたご覧ください。

 それでは。

 

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