こんにちは。
私は剣道ブロガーのKENDO KAWANOと申します。
脱サラして剣道ブロガー兼YouTuber(現在準備中)に転身しました。
詳しくはプロフィールをご覧ください。
今回は、
「剣道をやめてしまうタイミングと回避する方法」
について、取り上げていきます。
剣道具職人のいる店 剣道防具工房「源」
剣道をやめてしまうタイミングと回避する方法
私の三十数年の人生の中で、「昔剣道をやっていた」という方に出会う機会は結構ありました。今回は、剣道を始めたけど途中でやめてしまった人について、彼らが剣道をやめてしまったタイミングについて解説し、さらにその回避方法を探ります。
まず、主な剣道をやめるタイミングとしては、
・小~高校卒業のタイミング
・就職のタイミング
・結婚や出産や育児のタイミング
の3つがあげられます。
そして、それを回避する方法としては、
・SNSの活用
・指導者の工夫
の2つがあげられます。
順に解説していきます。
小~高校卒業のタイミング
まず初めに訪れるタイミングが学校の卒業と入学のタイミングです。
理由を箇条書きで挙げます。
・小~高校卒業を機に勉強に専念するため剣道をやめた。
・思春期に入り友だちと遊ぶことを優先して剣道をやめた。
・小学校時代は道場で剣道をしていたけど、中学校にあがって友だちと一緒に中学校の他の部活動に入部した。
・小学校時代は道場で剣道をしていたけど、中学校に剣道部がなかったので剣道をやめて他の部活動に入部した。
・中学校では剣道部に所属していたけど、高校に剣道部がなかったので剣道をやめて他の部活動に入部した。
・小学校(中学校・高校)時代は楽しく剣道をしていたけど、次の学校の剣道部が厳しくて剣道をやめた。
・剣道部に入部したけど、稽古についていけずやめた。
・剣道部に入部したけど、人間関係につまずいてやめた。
ざっと以上のような理由があげられます。
やはり、卒業や入学というのは人生の節目に当たりますので人間の心理として新しいことを始めようとか、このままでよいのだろうかとか、色々と考えてしまう時期のようです。不登校やひきこもりもこのタイミングで発生することが珍しくありません。
特に剣道の場合(他のスポーツも同じかもしれませんが)、小学生の間は学校ではなくて町の道場で剣道をしているケースが多いです。したがって、特に少子化の現代では同じ小学校に剣道をしている友だちがいないということ十分あり得ます。そのような要因からエスカレーター式に小~高校(あるいは大学)まで剣道を続けるという雰囲気になりづらいことも事実だと思います。
逆に、小学校単位で剣道部があったり、同じ学年の友だちが皆同じ小学校であったりする場合は、やめる確率は少し下がるのではないでしょうか。ただしそのような場合も、中学校に入学したら色々なスポーツ(部活)に触れる機会が出てきますのでそちらに魅力を感じてやめてしまう生徒もいるかもしれません。
就職のタイミング
学生時代が終わると、皆就職していきます。そしてそのタイミングも剣道をやめてしまうタイミングとなってしまいます。
理由を挙げます。
・学生時代で剣道をやりきったと思い、モチベーションをなくしてやめてしまう。
・学生時代は学校だけで稽古していたため、稽古する環境を失ってしまう。
・仕事が忙しく剣道ができない。
・仕事のストレスから剣道ができない。
学生にとって(特に中高生)、部活動は教育活動の一環です。したがって、もちろん受験勉強などはありますが、基本的に他のことが忙しくて剣道ができないという環境ではありません。ある意味で恵まれています。しかし社会人になると剣道は社会活動の一環ではなく、完全に個人の趣味となってしまいます(警察や教員や企業で組織として剣道に携わる場合は別)。
よく考えてみると「日本人は働きすぎ」などと言われるように、日本の社会はただでさえ労働時間が長いと言われています。それが新入社員であればなおさらです。そのような忙しさの中、あるいはストレスを抱えたなか、それまで日常にあった剣道が遠い存在(今ただちに取り組む必要のないもの)に代わっていってしまうことは想像に易いことです。
社会人になると、自分の「人生の一部」だった剣道も、単なる「余暇の趣味」に陥ってしまい、それにかまける時間や心の余裕を社会が与えてくれず、剣道をやめてしまう人が大勢いることは事実です。
結婚・出産・育児のタイミング
この項は女性に多いタイミングの話です。※「多い」と書いたのは、結婚はもちろんですが、育児も女性だけのものではないからです。
人生の最大の節目ともいえるのが、「結婚・出産・育児」のタイミングです。
まず、既婚の方ならおわかりいただけると思いますが、結婚というのは育った環境の違う二人が生活を共にするということで、お互い気持ちを尊重すること、「譲り合い」がとても大切です。その中で、自分が今までやってきたこと(趣味など)をすべてそのまま続けられるかといえば、できる場合もできない場合もあると言えます。特に、剣道を互いに経験してきたカップルならば剣道を続ける理解もたやすいと思いますが、片方が剣道をまったく知らない家庭であれば、「なぜ私を置いて剣道をしなければならないのだろう?」と不審に思われることも考えられますし、それが夫婦の不和につながることさえもあるかもしれません。
また、出産や育児は想像以上に大変なことです。私は男性なので出産の大変さを身をもって体験することはできませんが、そばで見ているだけでも大変なことはわかりますし、だからこそ女性は生まれてきた子に対する愛情がとても深いのです。女性は出産などを経て体質や体つきが変わったりすることもあります。アスリートにとってはマイナスとなることもあるかもしれません。ただ、それ以上に赤ちゃんを育てることと、剣道を続けることを両立することはとても困難なことのように思えます。
男性であれ女性であれ、育児を一時でも相手に任せて自分の趣味に没頭することに引け目を感じることは異常なことではなく、むしろ自然なことです。本当は息抜きも必要なのだと思いますが、世の中にはそのように考えてしまっている人も少なからずいるのではないでしょうか。
また、シングルマザーやシングルファーザーの方となれば、言うまでもなく剣道を続けることは困難んになってしまいます。こうして結婚や出産や育児を経て、剣道から一時離れてしまうと、その後カムバックすることは大変難しいことになってしまいます。
回避する方法 SNSの活用
ここからは、上に挙げた剣道をやめるタイミングを回避するための方法について解説します。
まず初めに、SNSの活用です。
箇条書きで具体例を挙げます。
・学年別や校種別のコミュニティを作る(全国の少年剣士が参加するようなプラットフォームが生まれることが望ましい※全員がネットにつながることが必須になるため小学生などには難しい)
・カテゴリー別(職種別)のコミュニティを作る
今現在でも、ネットで同じような境遇や価値観をもった人々がつながっているという状況は発生しているのではないでしょうか。私はそれが今後拡大して、多くの剣道家が利用するようなプラットフォームが誕生してくれないかと期待しています。そうすることで、より多くの情報が寄せられその中から取捨選択して自分の現状にあった解決方法やアドバイスを見つけ出すことができるようになるのではないでしょうか。
ただし、それを実現するためにはいくつかの課題があると思っています。①影響力のある人物の参加…やはり有名な剣道家の方々がひとつのプラットフォームに集うということが、全国展開の近道かと思います。②ネットのマナーとネットに対する偏見の改善…既存の剣道の掲示板にはいろいろな情報が寄せられていると聞きます。なかには誹謗中傷が投稿されていることもあると聞きますが、そのようなものであってはいけないと思います。また、ネットを利用することの価値を見出せていない剣道家が多いという現状も変えないといけません。ネットやSNSで剣道のことを書いたりすることは必要のないことだと考えている人も一部いるのではないでしょうか。そのような意識を変えない限りは、草の根まで浸透していきません。
なんにせよ、私はこれからの時代には、ネットやSNSの活用によってあらゆる分野の発展が考えられると思っています。口先だけで恥ずかしい所はあるのですが、剣道もそのような時代にうまくのっていかなければなりません。
回避する方法 指導者の工夫
最後は、指導者の工夫です。
私の恩師は、「剣道をやってきて楽しいと思ったことなど一度もなかった」とおっしゃっていました。これは深い言葉だと思っています。楽しいという言葉の定義によると思いますが、「剣道は修行なのだから厳しくて当たり前であって、剣道を通じて和気あいあいと楽しもうなどという甘い考えは捨てるべきだ」という戒めと私は受け取っています。
そうは言いながらも、小学生や中学生などの10代前半くらいの子どもたちには、何をやるにも楽しみを見出してあげなければ長続きはしないのではないだろうか?という気持ちもしています。したがって、剣道の指導者には、剣道の本旨をよく理解したうえで、「なるべく子どもたちを楽しませて惹きつける」剣道指導の在り方を探ってほしいものだと考えます。
また、昨今の「極端な勝利至上主義」にも警鐘を鳴らしたいと思います。
初めて道場の門を叩いた子どもや保護者の人々が、「剣道に何を求めるか」ということに立ちかえて剣道指導の在り方を考えてほしいものと考えます。おそらく、「元気さ」や「規律」や「礼儀」といった武道の持つ精神性を求めて剣道に入門してくるはずです。そういった人々とのそごをなくすためにも、「日本の伝統文化としての剣道の魅力に基づいた剣道指導」という点に重点を置いた指導が全国の小・中・高校や道場で行われるようになることが、大変重要なことではないかと思っています。
まとめ
今回は、
「剣道をやめてしまうタイミングと回避する方法」
について解説しました。
ポイントは、「やめるタイミングは…小~高の卒業、就職、結婚・出産・育児」「回避方法は…SNSの活用、指導者の工夫」となります。
剣道の有段者は全国に180万に程度いると言われていています。これだけ見ると、大変多い数に感じますが、実際に日常的に稽古している人数となるとグッと減るのが現実でしょう。高校の教員をしていて肌で感じたことですが、若年層の剣道人口は確実に減少しています。それを食い止めるためには原因と対策をしっかりと講じること以外にはないと思います。我々一般人はそれぞれで策を講じつつ、全剣連や都道府県連が効果的な施策をとってくれることを期待しましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。次回もお楽しみに。
それでは。
剣道具職人のいる店 剣道防具工房「源」
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