昇段審査で気を付けるべき4つのこと(運営側目線)

審査員 剣道
剣道具職人のいる店 剣道防具工房「源」

 

こんにちは。

私は剣道ブロガーのKENDO KAWANOと申します。

脱サラして剣道ブロガー兼Youtuber(現在準備中)に転身しました。

詳しくはプロフィールをご覧ください。

今回は、

「昇段審査で気を付けるべき4つのこと(運営側目線)」

について、取り上げていきます。

今回の記事は、地方審査の初段から五段までを受審する人向けに特化した内容になります。しかも、技術論とか方法論ではなく、本当に注意した方がよい点(逆に言えば、不注意により見落としやすい点)にフォーカスして書いていきたいと思います。かなりニッチな内容になるかもしれませんのでご了承ください。

今回の記事は、中学生・高校生で昇段審査を受審する人、お子さんが昇段審査を控えている親御さんが読むと有益です

なお、六段以上の審査に関する情報については、こちらの記事がおすすめです。

剣道の六段審査手順!受付から合格発表まで!登録費はいくら?
実際に私が六段審査を受けた時のやり取りです。立ち合い自体は各都道府県で開催されている昇段審査と同じような感じだとは思います。何が違うかって言うと、受け付けとか合格発表とか、その他色々。初めて六段審査を受ける人にはとっても解り辛いシステムなん

昇段審査で気を付けるべき4つのこと

 昇段審査で気を付ける4つのことは、

 ①受付の場所について

 ②自分の身なりについて

 ③実技審査の礼法について

 ④剣道形について

 です。剣道そのものの技術はそれぞれの道場や学校で習っていることを発揮すればOKです。今回お伝えするのは、審査員からの印象が悪くならないためだったり、緊張せずに受験するためのテクニックだと思ってください。

受付の場所について

 おそらく、どの都道府県昇段審査でも同じだと思いますが、昇段審査の受付は全員が同じ場所でするわけではありません。

 どのように分かれているかというと、受験する段位によって、自分が審査を受ける会場で受付が行われます。

 したがって、同じ道場や学校の、受験段位が違う友だちと同じところに行ってはいけません。まず、会場に入ったら自分の段位の試験会場がどこにあるのかをしっかりと確認しましょう。

 そして、放送で受付を始めると連絡があるので、連絡があったら直ちに自分の試験会場に行きましょう。ダラダラと遅れていくことは禁物です。なぜなら、おそらく初段~五段の審査であれば受付と同時に審査番号の記載されたシールが配布されることになるからです。シールがもらえないと受験できませんし、名前を呼ばれたときに自分がそこにいなければ全体の進行にも迷惑をかけてしまいます。

 

自分の身なりについて

 次に「身なり」についてです。

 剣道着・袴については、なるべく色の濃い折り目のしっかりと付いているものが良いでしょう。そして、忘れてはいけないのが自分の名前や所属チーム名が書かれた刺繍を消すことです。

 六段以上の審査ではあまり言われることもありませんが、地方の審査においては、名前等の刺繍はテープ等で消すべきです。なぜなら、地方審査であるが故に「審査員の先生が受審者の知り合い」というケースが往々にしてあるからです。不公平な審査とならないようにマナーとして徹底しましょう。

 それから、意外と忘れがちなのが、女性の髪型です。髪を伸ばしている女性はゴムで結ぶべきでしょう。もちろん、面を着けるときに縛っているでしょうが、剣道形のときに、縛ることを忘れないようにしましょう。

 

【追記】

 ご指摘をいただきまして、地域によっては袴の刺繍は消すけれども、剣道着のチーム名などは消さない地域もあるとのことですので、付け加えさせていただきます。

実技審査の礼法について

 これははじめに紹介した、

「剣道中毒」さんという方の記事

剣道の六段審査手順!受付から合格発表まで!登録費はいくら?
実際に私が六段審査を受けた時のやり取りです。立ち合い自体は各都道府県で開催されている昇段審査と同じような感じだとは思います。何が違うかって言うと、受け付けとか合格発表とか、その他色々。初めて六段審査を受ける人にはとっても解り辛いシステムなん

 にも書かれていますが、大事なことなのでここでも紹介します。

 まず、原則4人1組で実技審査が行われます。

 自分の4人組の中で一番数が小さい人がその組の①番です。(自分の組が25番~28番までの番号だった場合は、25番の人がその組の①番、26番の人がその組の②番…となります)

 審査順は、

 ①-②

 ③-②

 ③-④

 ①-④

 の順に行われます。

 その時に、注意事項が2点あります。

 1つ目は、①番と②番の対戦が終わったら、蹲踞をして終わりの礼をします。その際、うしろに5歩下がって相互の礼をしますが、その終わりの相互の礼と次の③番と②番の始めの礼は同時に行います。つまり、③番の人は、終わりの礼の時に、①番の真横(審査員側※これも間違えやすいので要注意)に立ち、終わりの礼と同時に始めの礼を行って、斜めに開始線まで進んでいくことになります。

 前の対戦が終わる蹲踞して5歩下がる下がる人と次出る人が同時に礼斜めに開始線に向かう

 です。これが1つ目。

 2つ目は、前の組の①番と④番の対戦が終わって、自分の組の順番が来た時です。この時には、自分の組の①番と②番は、それぞれ前の組の①番と④番の真横に立って終わりの礼と同時に初めの礼をします。そして、2人とも斜めに開始線に向かって進んでいきます。

 前の組の最終戦が終わる蹲踞して5歩下がる自分の組の①と②が前の組の①と④と同時に礼斜めに開始線に向かう

 です。この2つのことは必ず覚えておいてください。当日にも同様の説明があるとは思いますが、何度説明しても、毎審査間違える人が出てきます。やはり、審査員の印象もよくありませんし、全体の進行にも迷惑をかけることになります。また、そういった注意力や観察力がないということは、実技審査の内容も良くない可能性が高いです。

 

【追記】

 こちらもご指摘をいただきました。地域によっては、人1組や10人1組で審査を実施することもあるそうです。原則とは書いていますが必ずしも4人ではないということです。

剣道形について

 剣道形の審査については、複数の組が同時進行で審査を受けるため、多少楽な気持ちで受審できると思います。しかし、注意点がないわけではありません。2つ挙げておきます。

 1つ目は、下手でもよいので相手と合わせることです。

 剣道形は稽古次第で上達しますが、やはりどうしても上手い下手はあります。しかし、審査を受ける以上は最低限のカタチは理解しているはずです。そこで重要なことは、特に「すり上げ技」や「返し技」などの太刀が相手と接する際に「相手と呼吸を合わせる」ということです。もともと、日本剣道形の打太刀は「師匠の位」といって相手を引き出す立場なのですが、やはり「相手が返しやすいように」とか「すり上げやすいように」という配慮は大切だと思います。

 2つ目に、中心からの距離に気をつけるということです。

 剣道形の審査は、複数の組が同時に受審をしますので、皆が整列した状態で定位置まで並んでいきます。したがって、審査を受ける定位置についた時には全員が中心からの距離が同じという状態です。しかし、「9歩の間合い」はその人の身長などによってまちまちだと思いますので、遠ければ近づく、近ければ離れるといった工夫が必要です(隣の人より前にいるから、後ろにいるから減点というようなことはありませんので、堂々と距離を変えましょう)。それをしなかった場合は、相手との間合いが近すぎたり、中心からズレてしまったりする原因となります。

 以上の2つのことを守ることによって、まず落ち着いた気持ちで剣道形に取り組めると思います。剣道形は、間違えないかどうかの不安という意味では実技審査よりも緊張しますので、余計なことでパニックに陥らないように2つのことを気をつけると良いでしょう。

まとめ

 今回は、「昇段審査で気を付けるべき4つのこと」について解説していきました。

 受付の場所は各自の審査会場

 ②名前やチーム名の刺繍は消す

 ③実技審査は前の人の終わりの礼と次の始めの礼を同時に行う

 ④剣道形は相手に配慮する・中心からの距離に気をつける

 の4つです。今回の記事は、これから昇段審査を控える中学生・高校生とその保護者の方向けに書かせてもらいました。

 日頃、道場や学校で習ったことを十分発揮できるように、この4つを頭に入れてから昇段審査に臨みましょう。

 健闘を祈ります(^^)

 それでは。

 

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