こんにちは。
私は剣道ブロガーのKENDO KAWANOと申します。
脱サラして剣道ブロガー兼Youtuber(現在準備中)に転身しました。
詳しくはプロフィールをご覧ください。
今回は、「区分稽古という稽古法」
について、取り上げていきます。
先日にこういったツイートをしました。
「区分稽古」という稽古法
— KENDO KAWANO (@kendo_kawano) February 3, 2020
・地稽古
・打ち込み
・かかり稽古
・切り返し
皆さんもご存知かと思いますが、冬場に短時間で効率よく心身を錬磨することに最適な稽古法です。
我が恩師が考案されまして、学生時代は夏冬関係なく、限界に迫るまで鍛えられました。
ご自身とお子さまの稽古にいかがですか?
世の中に、いろいろな稽古法が存在しますが、その中から今回は区分稽古をご紹介します。かなり強度の高い稽古法になりますので、皆さんの修行の助けになると思います。では、内容に入っていきます。
区分稽古という稽古法
区分稽古は、区分に分けて違う種類の稽古を連続して行う稽古法です。以下に、区分する稽古とその注意点を紹介します。
①地稽古
②打ち込み
③かかり稽古
④切り返し
⑤区分稽古の隊形
⑥区分稽古の注意点
以上の6つです。
ひとつずつ解説します。
地稽古
通常区分稽古は、段位がそう離れていない者同士で実施することが多い稽古方法となります。したがって、地稽古は互角稽古です。ただし、かかり手は体力を消耗していき、動きが鈍ってしまいがちなので、地稽古において元立ちが積極的に打ち込んでいき、かかり手の気力を奮い立たせる努力が必要です。
打ち込み
いわゆる約束稽古です。事前に「面の打ち込み」や「小手面の打ち込み」などと決めておいてから実施します。ポイントとしては、かかり手を惰性で打たせないということがあります。打ち込み稽古は、一足一刀の間合いから元立ちが竹刀をサッと避けて、空いたところを打たせるようにしましょう。出頭を打たせるイメージです。そのようにすれば、振り返り、攻め、打突、の部分でそれぞれにメリハリがついて気の抜けない稽古ができるようになります。
かかり稽古
かかり稽古は、かかり手が、呼吸の続く限り一心不乱に打ち込んでいきます。元立ちは、かかり手の打突を簡単に打突部位に打たせてはいけません。出頭・応じ・返しと、かかり手の繰り出す技を次々に打ち返すことを心がけましょう。また、相打ちや体当たり、いなし・さばき、などを十分に行うことで、かかり手の気力と体力がより高負荷に鍛えられる効果があります。
切り返し
切り返しは、元立ちが道場の広さによって前進後退の本数を自由自在に動かしてやります。また、1往復で終わるのではなく、体力が続く限り何往復でも続けてかまいません。かかり手が疲労してきて、腕が上がらず正しい動作ができなくなってきたら、元立ちは足を止め、その場切り返しを実施することもありえるでしょう。
区分稽古の隊形
上記の通り、通常、区分稽古は4種類の稽古を太鼓や笛の合図で続けて行います。時間はその集団の熟練度にもよると思いますが、1つの稽古につき30秒~1分ぐらいの間隔で実施するのが望ましいでしょう。
また、区分稽古を実施する隊形ですが、大人数で実施する場合は、元立ちを固定してある程度の本数をこなし、途中で元立ちを入れ替える方法がよいでしょう。少人数で行う場合、あるいは、本当に技能の拮抗した者同士で稽古を行う場合は、2人組を作り、片方の切り返しまでが終わった後、もう一方の打ち込み~切り返しを行うといった方法がよいでしょう。
区分稽古の注意点
区分稽古は、やったことがある人にはわかると思いますが、極めて厳しい稽古法です。しかし、短時間で効率的に心身を錬磨することができる理想的な稽古方法でもあります。特に、気温や発汗などの負荷がかからない、冬場に向いている稽古法ではないでしょうか。逆に、夏場に実施する場合には、時間を短縮して、なるべく短時間で終えられるように調整した方が良いでしょう。
区分稽古には、この稽古法に向かない人もいます。それは、熟練度の低い修行者です。初心者や充分な技能が身についていない者が、こういった複数の稽古を取り入れた、高強度の稽古法を行うと、動きが緩慢になり、基本的な動作ができなくなり、返って稽古の目的が失われてしまう恐れがあります。「切り返し」・「打ち込み」が充分にできるということが、区分稽古を行うことができる修行者の必要条件となるでしょう。
また、元立ちの重要性も説いておきます。先ほども述べた通りですが、地稽古では積極的に打ち込んでゆくこと、打ち込みでは、間合いの出し引きを調節しつつ、打つ機会を与えるのは元立ちの役割です。かかり稽古では、相手に充分な負荷がかかる受け方をできなければ効果が半減してしまいます。切り返しは、最後のフェーズになるため相手を叱咤激励しながら終了の笛がなるまで気を抜かせない元立ちが求められます。このように、区分稽古の半分は元立ちが担うといえるほどに重要です。
まとめ
今回は、
「区分稽古という稽古法」
について解説していきました。
ポイントは、①地稽古の方法、②打ち込みの方法、③かかり稽古の方法、④切り返しの方法、⑤区分稽古の隊形、⑥区分稽古の注意点、の6つです。
区分稽古は青春の味。私はそう思っています。記憶が途切れそうになるほどきつい思いをしたこともありますが、それが、自分を成長させてくれたと思っています。学生時代のそういったきつく苦しい経験があったおかげで、私は大人になっても、全国大会に出場したり、入賞したりすることができました。
皆さんも是非、ご自分の稽古に、教えられるお子さんの稽古に「区分稽古」を取り入れてみてはいかがでしょうか?
それでは。
剣道具職人のいる店 剣道防具工房「源」
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