こんにちは。
私は剣道ブロガーのKENDO KAWANOと申します。
脱サラして剣道ブロガー兼Youtuber(現在準備中)に転身しました。
詳しくはプロフィールをご覧ください。
今回は、
「剣道の「切り返し」について・自宅で剣道トレーニングをする方法 」
について、取り上げていきます。
2つの話題を手短に説明していきます。
剣道具職人のいる店 剣道防具工房「源」
剣道の「切り返し」について
剣道の「切り返し」は最もポピュラーな稽古方法ではないでしょうか。
剣道家の皆さんはもれなくご存知だと思います。やり方はこうです。
正面の面体当たり
→左右面を前に4本
→左右面を後に5本
→正面の面抜ける
おそらく、全国の多くの道場や学校でこの基本的な形式に沿って「切り返し」を行っているかと思います。今回は、この「切り返し」の作法は実は「ルール」ではないということをお知らせします。
実は「切り返し」は、本数や往復の回数などが決まっている稽古法ではないのです。現在全国の剣道家に親しまれる「切り返し」の作法は、道場の広さや稽古する人数に応じて「全員が均等に安全に」稽古するためにあみだされた「便宜上の」作法だったのです。
したがって、切り返しは稽古する環境によって、道場が広ければその分本数を増やしてもいいですし、人数が少なければ一人が3往復でも4往復でもして構わないということになります。私としては、ご自分の稽古される環境に合わせた「切り返し」を行うことをオススメします。
「切り返し」の説明は以上ですが、ここから少し深堀して、私のオススメ「切り返し」メニューをご紹介します。
1.連続往復の切り返し
通常の切り返しは9本ごとに一度相手から離れますが、この切り返しではそれをせずに、左右面を打ちながら後ろに下がりきったら、相手から離れずにまた前進して左右面を打ち込みます。これを繰り返して、決まった本数あるいは決まった往復数で切り返しを実施します。
この切り返しのメリットは、前進後退の動きが連続することによって心肺機能が強化されるという点です。デメリットは、動作が大きい分左右面の振りが正確に打突しにくいという点があります。
2.その場切り返し
通常は前進後退するのが切り返しですが、この切り返しでは最初の正面の面を打ってからその場で左右面を打ちます。本数や時間を決めて、足を動かさず(ひざは上下のリズムをとる)その場で連続して左右面を打ちます。
この切り返しのメリットは、下半身が安定している分正確な打突が可能であることと、多くの本数をこなすことで腕の筋力が鍛えられるということです。デメリットは、下半身の動きが少ないため心肺機能の強化にはあまり効果がありません。
3.相互の切り返し
通常は1人が左右面を打ち込むのが切り返しですが、この切り返しでは相互に左右面を打ち合います。本数や時間を決めて相手の竹刀に向かって相互に同時に行います。相互の切り返しはその場でやってもよいですし、前進後退をしながらやっても構いません。
この切り返しのメリットは、精神面の強化につながることです。相手に負けじと左右面を振ることでおのずと自分の限界に挑戦することができます。デメリットは、動きが大きく相手との関係があるため、正確な打突が難しいということです。
以上、今回は3つの方法をご紹介しました。他にも考えてみればいろいろな「切り返し」のパターンはありますので、各道場や学校で工夫してみるとよいでしょう。
ちなみに、切り返しは「元立ち」が重要です。前進後退のリズムや歩幅、左右面の受け方(竹刀で左右面を受ける際は最大限面に竹刀を近づけて受けることを推奨)などは、元立ちが主体となってかかり手を引き出してあげることが良い稽古となるポイントです。
※追記 「竹刀越しではなく、直接左右面を打たせる切り返し」は安全上オススメしません。 指導の目的からそのような切り返しをさせる場合は、最小限の回数に留めるべきでしょう。
自宅で剣道トレーニングをする方法
学生でも社会人でも、何らかの理由によって稽古ができないときに、自宅で少しでも剣道が強くなる方法はないかと思ったことがあると思います。
私はそのような方に、「剣道サーキットトレーニング」をオススメします。
「サーキットトレーニング」とは、
筋力トレーニングと有酸素運動を短い休憩をはさんで続けることで、短時間で持久力や筋力、瞬発力、フィジカルも同時に鍛えられるトレーニングです。スポーツにおける競技力向上だけでなく、ダイエットを目指す方にもオススメの運動です。
というトレーニング法です。そしてこれに剣道の要素を加えたものが「剣道サーキットトレーニング」となります。
具体例を書きます。
1.素振り(重量)
はじめに、できれば重たい竹刀や木刀で通常の素振りをします。正面素振りでも左右素振りでも何でも構いません。決められた時間まで行います。
2.腕立て伏せ
通常行っている腕立て伏せを決められた時間だけ行います。
3.腹筋
通常行っている腹筋を決められた時間だけ行います。
4.バーピー
「バーピー」とは立ったり伏せたりする運動です。起立の状態から、ひざを曲げてしゃがみ、足を後方に伸ばして腕立て伏せの伏せの状態になります。次に、またひざを曲げてしゃがんだ状態に戻り、立ち上がって起立の姿勢をとります。これを繰り返す運動が「バーピー」です。途中で止まったりせず連続で立ったり伏せたりを繰り返します。これも、決められた時間だけ行います。
5.ももあげ
左右の足を交互にひざが90度程度曲がるまであげます。決められた時間だけ行います。
6.素振り(高速)
普通の竹刀か、軽めの竹刀を速く振ります。はや素振りでも構いませんし、左右素振りでも構いません。
以上6つの項目を、自分のレベルに応じて10秒~30秒の範囲で連続して行います。ただし、各種目の間には10秒~20秒程度の短い休憩をはさんだ方がよいでしょう。6つ目の項目が終わったら、また1つ目の項目に戻ってトレーニングを繰り返します。3セット~5セットこのトレーニングを行えば十分高強度なトレーニングができると思います。
以上が「剣道サーキットトレーニング」の紹介となります。ポイントは、「素振りを2種類に分けている」点と「バーピーを採用している」点です。素振りは筋力アップと瞬発力アップの2種類の方法により実際の稽古により生きることになります。バーピーは素振りなどでは身につきにくい下半身の筋力や瞬発力アップにつながります。
「自宅で素振りだけ」となるとどうしても下半身や心肺機能の向上は見込めません。そこでこの「剣道サーキットトレーニング」をすることによって、現状維持ではなく、より強くなることを目指しましょう。
まとめ
今回は、
「剣道の「切り返し」について・自宅で剣道トレーニングをする方法 」
について解説しました。
ポイントは、①道場の広さや稽古する人数、稽古の目的で様々な「切り返し」あり、②「剣道サーキットトレーニング」をオススメします、の2つです。
この記事を書いている令和2年の春は「新型コロナウィルス」の感染拡大防止のため日本中の剣道家が稽古場を失って途方に暮れています。そういったときにも希望を失わずに、「剣道サーキットトレーニング」で来るべき時に満を持して稽古を再開できるように身体を鍛えましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。次回もお楽しみに。
それでは。
剣道具職人のいる店 剣道防具工房「源」
コメント