こんにちは。
私は剣道ブロガーのKENDO KAWANOと申します。
脱サラして剣道ブロガー兼YouTuber(現在準備中)に転身しました。
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今回は、
「剣道 団体戦と個人戦の試合の勝ち方」
について、取り上げていきます。
剣道具職人のいる店 剣道防具工房「源」
剣道 団体戦と個人戦の試合の勝ち方
今回の記事では試合の勝ち方について、
・団体戦の勝ち方
・個人戦の勝ち方
に分けて「傾向と分析」を考察していきます。
内容としては技術面ではなくて、試合に対する考え方やメンタルの部分を中心として解説していきます。
団体戦の勝ち方
団体戦の勝ち方には、2つのポイントがあります。
①協調性
協調性とは、
互いに助け合ったり譲り合ったりしながら同じ目標に向かって任務を遂行する素質。
という意味の言葉です。
剣道の団体戦の試合というのは、基本的に5人制(3人・7人・それ以上もありますが)によって行われます。団体戦において、何の試合であっても全試合全員が勝って優勝するということはほぼあり得ません。したがって、団体戦に勝つためには「先鋒が○○する」とか「次鋒が○○する」といった「戦略」が必要になってきます。
その戦略を実行する際に必要なメンタリティーこそ協調性となります。
例えば、思い切った攻撃が特徴の選手がいたとします。その選手が副将で出場していたとしましょう。中堅戦が終わった段階で自分のチームから見て2-0で試合に勝っていたとしたら、副将は自身が引き分け以上であればチームの勝利が決定します。この時に、あなたがこの副将ならどのような試合をしますか?
誤解を恐れずに言えば、試合開始の「始め」と同時に「メーンッ」と飛び込んでいくようであれば、残念ながら「愚か者っ(笑)」といってしまうかもれません。いくら思い切った攻撃が得意な選手といえども、このような目的のない勇気とはいえない行為は団体戦では受け入れられません。もちろんあくまで剣道ですので、試合時間いっぱい防御しまくって逃げ切るなどという行為は精神に反しますが、団体戦においては競技であるということと、チームメイトと共に戦っているということを念頭に置いておかなくてはなりません。
したがって、自分の得意技や特徴を生かそうとする意識を持ちながらも、決して無謀な打突をせずに相手の隙や疲労に乗じて、機を見て技を出すという試合展開が求められることとなります。この場合の副将の選手も、自分の打ちたい気持ちをやや抑えて十分に機会を狙った打突を心がけるべきでしょう。
このように、自分本位の考え方ではなく、譲り合ったり助け合ったりする精神=協調性を持ち合わせていなければ団体戦においてチームを勝利に導くことはできません。
②責任感
協調性と共に、団体戦で勝利するうえで必要なものが、責任感です。
先ほどから述べているように団体戦においては「戦術」が必要です。それはつまり、先鋒~大将に至るまで自分に対する役割というものが課せられているということになります。ここでいう責任感というのは、「自分の役割に対する責任感」のことです。
先ほどの項で協調性の重要性を説きましたが、場合によっては協調性に重きを置きすぎるあまりに、消極的になってしまうことも考えられます。つまり、剣道の団体戦では自分の責任を譲り合って先送りにしてしまうということが起こりえるのです。
例えば、先鋒の選手にはチームのリードオフマンとして勝利が求められるケースが多いと思います(もちろんケースバイケースです)。その際に、先鋒の選手が「負けてチームに迷惑をかけてはいけない」というマインドで試合を行ったとします。「迷惑をかけてはいけない」という精神は、協調性ととれなくもないと思います。しかしそれは同時に迷惑をかけないように消極的な試合をすることにつながり、「先鋒が勝利をしてチームを有利にしたい」というチーム戦術に対する責任から逃げてしまっていることにもなるのです。したがって、このような考え方は責任感のない考え方と捉えられかねませんし、実際に試合結果に悪影響をもたらしかねません。
団体戦において自分の責任を全うするためには、多少のリスクは承知の上で勝負をしなければならない場面も出てくるし、そのようなマインドで試合に臨める人こそ団体戦において重要な役割を果たすことができるとも言えます。自分のチームにおける役割を十分に理解し、その戦術から逃げずに責任を全うする精神が団体戦を勝ち抜いていくためには必要です。
個人戦の勝ち方
個人戦の勝ち方にも2つもポイントがあります。
①体力
個人戦は、言うまでもなく勝敗が決するまで試合が行われます。高校生でいえば基本的に試合時間は4分です。都道府県大会やインターハイで勝ち進んでいくためには相当数の試合をこなさなくてはいけません。どの試合においても勝ちあがっていくに連れて相手のレベルもあがっていき、拮抗した試合展開となり試合が延長戦までもつれる可能性が高いです。
また、剣道の試合では団体戦と個人戦が同じ日程で行われるケースが珍しくありません。つまり、個人戦と団体戦に並行して出場するとうことはよくあるケースです。個人戦と団体戦の両方で勝ち進んでいった場合、累計の試合時間はかなりの時間になることもあります。
このような点から考えれば、個人戦においては体力がなければ勝ち進んでいくことはできません。
ここまでの話は当たり前なのですが、では体力というのは一体何のことなのかということを解説します。
ここでいう体力とは、剣道における体力のことです。試合経験が豊富な方であればおわかりいただけると思いますが、基本的な持久力や瞬発力と剣道における体力には違いがあります。剣道は全身運動なうえに心理戦でもあります。自分のメンタルのコントロールや上手な身体の使い方ができなければすぐに体力が削られてしまうことになります。いくら筋骨隆々の人でも、いくら長距離走が得意な人でも、剣道の試合となれば、様々な要因であっという間に消耗してしまうことも十分にあり得ます。※筋力も持久力も剣道に重要な要素ということは付け加えておきます。
剣道の体力を身につける最良の方法は、剣道の稽古をすることです。特に試合の体力をつけたければ、手っ取り早い方法は試合稽古をすることです。中高生の練習試合はこのためにあるといっても過言ではありません。大人の方々は練習試合などする機会は少ないと思います。そういった方で、試合の体力をつけたい場合は、試合に近い地稽古をするという方法が最善です。一本ごとに縁の切れる稽古ではなく、確実に機会を捉えるまで縁を切らない稽古をお互いが心がけることで試合に近い稽古をすることができるでしょう。あとは、抵抗があるかもしれませんが鍔迫り合いを適当にしない地稽古も必要です(鍔迫り合いから引き技を打てといっているわけではなく、引っ付いた瞬間や下がる瞬間に気を抜かないという意味です)。
このように、個人戦で勝ち抜いていくためには、体力、なかでも「剣道の体力」を身につけることが非常に重要です。
②わがまま
数年前のインターハイ個人戦で、1つの試合が2日間にまたがって行われたということをご存知でしょうか?
私の見てきた高校剣道の世界では、近年特に個人戦における試合時間の長時間化が進んでいるように感じます。その最たる例が上に挙げたインターハイの件です。普通は4分で勝負がつくところを、テニスでいえば日没サスペンデッドとでもいうのでしょうか?次の日まで持ち越すことなど、なかなかあることではありません。
では、なぜそのような現象が起こっているのでしょうか。答えは選手が「わがまま」だからです。これは決して悪い意味でいっているわけではなくて、一番適切な言葉が「わがまま」だと感じたため書いています。最近の選手はとにかく「わがまま」ですが、言い換えれば「絶対に負けたくない」と思って試合をしています。「負けたくない」ということがミソです。彼らは「絶対に勝ちたい」でもあり、「絶対に負けたくない」でもあるのです。
私のような一般人ならば、「この試合に絶対に勝ちたい」とまずは考えます。そしてそこから試合の組み立てをするときに、「自分の得意な○○技を打って勝つ」と考えます。しかしおそらくですが、彼らは違います。「相手に打たれなければ絶対に負けることはない」という発想から「自分が打ちたい気持ちを抑えて相手がミスをした隙を絶対に逃さない」と考えているように感じます。
後者のマインドをもつ選手が近年の高校生年代のトップ選手には多いように感じます。したがって、彼らはなかなか打っていきません。それは勝つために「負けたくない」からです。そのため試合は長時間化し数十分に及ぶということが増えているのではないかと考えられます。
ここからわかることは、その良し悪しは別として、試合に勝ちあがるためには「絶対に打たれない」というマインドが必要なのかもしれないということです。それは時に批判を浴びることもあります。「もっと打っていけ」「弱気になるな」と周りの人々からは指摘されるかもしれません。しかしそれでも、自分の気持ちを変えずに、ある意味で「わがまま」に自分の信念を貫いた試合をし続けることが勝利への必要条件なのかもしれません。
まとめ
今回は、
「剣道 団体戦と個人戦の試合の勝ち方」
について解説しました。
ポイントは、「団体戦は協調性と責任感」「個人戦は体力とわがまま」となります。
剣道の団体戦と個人戦では、違った気持ちの持ちようが必要となります。どちらも技術だけではなく、心理的な面が重要になってくるということは同じです。もしも試合を控えている方がいらっしゃれば、ひとつの参考にしていただければ幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。次回もお楽しみに。
それでは。
剣道具職人のいる店 剣道防具工房「源」
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